兵庫に引っ越してすぐのとき、
スーパーで”明日は半夏生”とあってたこの売り出しがされていました。
半夏生ってご存知ですか?
ここでは、
1.半夏生とは?
2.半夏生にたこを食べるって本当?
3.半夏生に食べるものは地域によって違うの?
の流れで解説しています。
農家にとってはとても大事な節目となる半夏生。
日本の風習を知るという意味でも、是非ご覧ください。
半夏生とは?
半夏生は「雑節(※)」の1つです。
※五節句・二十四節気以外の、季節の移り変わりの目安となる日
半夏生は、夏至の日から数えて11日目にあたる日
もしくは、その日から5日間をいいます。
農家にとっては大事な節目の日で、
この日までに「畑仕事を終える」「水稲の田植えを終える」目安とされています。
この日から5日間は休みとする地方もあります。
半夏生は天から毒気が降る日と言われ、井戸に蓋をして毒気を防いだり、
この日に採った野菜は食べてはいけないとされたりしました。
夏至の日は、毎年同じではありませんから
半夏生の日(期間)も、それに合わせて変わります。
ちなみに・・・
2015(平成27)年の半夏生は7月2日(~7日)です。
半夏生にタコを食べるって本当?
近畿地方の一部地域ではタコを食べる習慣がありました。
これは豊作を祈ってのことで、
・作物がタコの足のように、大地にしっかりと根を張りますようにという願いと
・稲穂がタコの足(吸盤)のように立派に実りますようにという願い
が込められているそうです。
ちなみにタコには「タウリン」という栄養素が多く含まれています。
このタウリンには
疲労回復や肝機能の強化といった効果があり、
蒸し暑さが強まり疲労が増してくるこの季節にタコを食べることは、
栄養面からみても理にかなっているといえそうです。
半夏生に食べるものって地域によって違うの?
半夏生に近畿地方の一部地域ではタコを食べる習慣があったのですが、
他の地方はどうなのでしょうか?
他の地方でも
豊作祈願や農耕の一区切りとして何かを食べるという風習があったようです。
★讃岐(香川県)ではうどんを食べる風習があります。
讃岐の農村では、半夏生にその年に収穫された麦を使ってうどんを打って
農作業を手伝ってくれた人達に振舞われていました。
その風習が今もなお受け継がれ、
半夏生にうどんを食べるようです。
★福井県の大野市を中心に焼き鯖を食べる風習があります。
江戸時代に大野藩藩主が
この時期に農民に焼き鯖を振舞ったという逸話があり、
今もこの地域では半夏生に一匹丸ごと焼いた「焼き鯖」を
一人1本、家族全員が食べるという風習があります。
★奈良県(香芝市周辺)、大阪府(南河内地方)では餅を食べる風習があります。
奈良県や大阪府の一部地域では、
農家では小麦を混ぜた餅を作り黄粉をつけて食べる風習があります。
農作業を無事に終えたことを田の神様に感謝し、お供え物として餅を献上し、
農家の人々も食したことが由来とされています。
まとめ
半夏生に食べるものは、地域によって違い、
ばらばらのように思いますが、
どれも疲労回復に効果のあるものばかりです。
農家の人々は、蒸し暑さが増してくる半夏生の時期に
農作業で疲労したからだを体にいいものを食べることで乗り切ってきたのでしょう。
まさに先人の知恵といえそうですね。