大晦日といえば「除夜の鐘」
除夜の鐘が鳴り始めると、なんだかしみじみと
今年も終わりだなぁという気になります。
でもなぜ大晦日の鐘は「除夜」の鐘っていうのでしょうか?
除夜の鐘とは?除夜の鐘を聞くにはお寺?神社?
大晦日にゴィ~ンと聞こえる鐘の音。
日本全国で、厳かに行われる一大イベントといえまね。
まさに日本の伝統文化ですね。
実は「除夜」というのは「大晦日の夜」のことをいいます。
『除』には古いものを捨て、新しいものに移るという意味があります。
1年の最後の日である大晦日は
古い年を去り、新年を迎える日で「除日」(じょじつ)と呼ばれます。
「除夜」とは「除日の夜」つまり大晦日の夜のことを言います。
さて、この除夜の鐘は、
日本仏教にて年末年始に行われる年中行事の一つです。
仏教の風習ですから
除夜の鐘を聞くのはもちろんお寺ですね。
古くから日本各地で伝統に従い、
心を込めて祈りを込めて108回もの数の鐘が撞かれるという行為は、
日本独自の仏教の精神であり、
除夜の鐘は、仏の大慈悲の心を伝える利他の儀式であるといえます。
除夜の鐘が108つなのはなぜ?
除夜の鐘は、名だたる大寺院の大梵鐘から、
小さな町のお寺の鐘まで、
一回一回厳かにつかれる回数は108回です。
この108には意味があるのですが、
◎人間の煩悩の数を指す
◎一年間をあらわす
◎四苦八苦をあらわす
などいろいろな説があります。
その中で一番有名なのが人間の煩悩説ではないでしょうか。
除夜の鐘はその煩悩を払うために
108回鐘をつくと言われています。
108ってかなりの数ですよね。
人間が持つ欲望や心の汚れは、
すべて6つの感覚器官(六根)からもたらされるといわれています。
「眼、耳、鼻、下、身、意」がそれにあたります。
さらにこの6つの感覚器官が感じ取る感覚が
「好、悪、平」と「浄、染」とがあります。
眼に対し「好、悪、平」の感覚、さらに「浄、染」の感覚があるというわけで、
6×3×2=36
になります。
さらに「前世、今世、来世」の3つの時間軸が存在して、
全部で108つとなると考えられています。
除夜の鐘はこのひとつひとつを払いのけ、
清らかな新しい年を迎えるという伝統行事なのです。
除夜の鐘はいつから何時までつくの?
除夜の鐘は、テレビ放送の影響から
紅白歌合戦が終わった時間から
ゴィ~ン と始まるイメージがありますよね。
多くのお寺は大晦日の23時45分ごろからつき始めるようですが、
実際はお寺によってつき始めの時間は異なります。
そして、正式には除夜の鐘は107回までを大晦日について
年が明けてから最後の1回をつくとされています。
これは新しい年が煩悩に煩わされないようにという願いをこめて
最後の1回を新年につくといわれています。
ですので、つき終わるのは元旦がスタートするのと同時と考えておけば
間違いないようです。
まとめ
仏教の教えで大切なのは未来だとされています。
除夜の鐘は、新年を清らかな気持ちで迎えるために、
とても大切な行事といえますね。
1年間に積もった心の垢や汚れを浄化する気持ちで
除夜の鐘を聞けば、新年はきっと素敵なものになるはずです。